タカが描く、壮大な光景と渡りの物語

Hawk migration

 

山本山高原は渡りを行うタカの仲間の、重要な中継地点となっています。

秋の晴れた空に螺旋を描くタカ柱は、山本山高原が誇る圧巻の光景であり、同時に南国へ渡る鳥の渡りの物語があります。

山本山高原山頂は周囲が開けている地形のため、姿を確認しやすく、新潟県はもちろんのこと、本州でも屈指のタカの渡りの観察ポイントであり、多くのタカが山本山上空を通過していきます。

・2022タカの渡りの状況(文章をクリックしてください)

・2023タカの渡りの状況(別サイト(タカの渡り全国ネットワーク)へ移動します)

山本山高原を渡るタカ
ー Hawk crossing the Yamamotoyama Kougen ー

サシバ

中型のタカで、ヘビやカエルを捕食する。水田があるような里山に住む、いわゆる『田舎のタカ』で、都会や住宅地などの街中では観察することができない。山本山周辺でもよく観察することができるタカの仲間。

渡りが観察できる時期

9月中旬~下旬


ハチクマ

サシバよりやや大きいタカの仲間で、ハチの幼虫やさなぎを捕食する。他のタカより細長い首が特徴的。性別や年齢など、個体によって羽の模様が全く違うので、飛翔する姿を見ているだけでも観察が面白いタカ。

渡りが観察できる時期

9月中旬~下旬


ノスリ

ちょっと丸みを帯びた体形のタカ。主にネズミ類などを捕食する。名前の由来は『野を擦る』 ように飛ぶことから。サシバ、ハチクマの渡りが終わると、渡りの主役はノスリと変わって いく。 

渡りが観察できる時期

10月中旬~11月


ツミ

日本最小のタカ。主にスズメなどの小鳥を捕食する。小型でよく羽ばたくので、他のタカに 比べて特徴がわかりやすい。 

渡りが観察できる時期

 9 月中旬~10 月 


トビ

一番身近にいる大型のタカの仲間。市街地でもよく姿をみかける。動物の死骸などを捕食す る。英名 Black Kite(黒い凧)の名前のとおり、ほとんど羽ばたかず、尾羽などを利用しな がら風を上手くとらえて飛翔する。三味線のバチのような特徴的な尾羽の形をしている。

渡りが観察できる時期

9月中旬~11月



その他、渡りの時期に観察される猛禽類

他にも下記のとおり、多くのタカやハヤブサの仲間が秋の渡りの時期に観察されています。

観察できた猛禽類

ミサゴ、オオタカ、ハイタカ、チュウヒ、イヌワシ、クマタカ、ハヤブサ、チゴハヤブサ、チョウゲンボウなど

(写真はミサゴ、オオタカ、ハヤブサ、チョウゲンボウ)

渡りが観察できる時期

9月中旬から11月上旬くらいまで



渡りの時期に観察されるその他の野鳥

秋の渡りの時期には、タカだけでなく、他の野鳥もよく観察されています。渡りの時期に観察されたタカ以外の野鳥を少し紹介します。

渡りの時期に観察された小鳥

アオバト、ハリオアマツバメ、イワツバメ、ショウドウツバメ、エゾビタキ、メジロ、ヒヨドリ、ヒガラなど

(写真はアオバト、ハリオアマツバメ、エゾビタキ、ヒガラ)


【動画】

新潟県小千谷市の山本山高原で見ることができるタカの渡りの様子です。

数十羽のタカが螺旋を描くタカ柱の光景は圧巻です!!

新潟県小千谷市の山本山高原が日本に誇る、自然現象、タカ渡り・鷹柱の映像をご覧ください。


タカ類、飛翔時の識別ポイント

まずは、一番身近に観察することができるトビの特徴を覚えて、そこから派生していきましょう。

トビの特徴は肩の部分にある白い斑と、歪曲した翼、三味線のバチのように台形になっている尾羽が特徴です。

タカはなぜ渡る?

渡りの理由として、第一に考えられているのは、食糧の問題です。サシバは爬虫類や両生類、ハチクマはハチの幼虫などを主食としているため、日本では冬季に食糧を確保することが難しく、越冬地の東南アジアなどへ渡っていきます。