山本山高原でよく観測されてる『白い虹』。白虹や霧虹と呼ばれる大気光学現象の一つである。
通常の虹が、雨粒に通過する光が屈折して七色に見えるのに対し、白虹や霧虹は雨粒よりはるかに細かい霧の粒に光が通過するため、屈折した光が重なって白く見えるのである。
この白虹、どれくらいの頻度で発生しているのか、2021年からの発生日を調べて(山本山ネイチャーアカデミー調べ)みたところ、以下のとおりであった。
・2021年(年10回)
4/15・5/31・8/20・8/29・9/7・9/20・10/24・11/6・11/17・11/29・12/9
・2022年(年11回)
4/17・8/29・10/9・10/25・10/26・10/27・11/3・11/6・11/9・11/12・11/18(11/9は太陽光でなく、月光で発生)
・2023年(年9回、2023/11/12現在)
5/16・9/7・9/29・10/8・10/12・10/24・10/31・11/3・11/9
記録を取り始めて3年ではあるが、発生回数を見ると、年10回程度発生していることがわかる。
一見すると少ないように思えるが、白虹の発生日のほとんどが8月末~12月の山本山高原の閉鎖までに集中していることから、発生確率は非常に高いと言っても過言ではないだろう。
なぜ、これほど発生しやすいのか・・・推測ではあるが、以下のとおり考えてみた。
1.山本山高原周辺では、信濃川と魚野川の2つの大きな河川があり、寒暖差の激しい秋~晩秋にかけては、霧が発生しやすい。
2.山本山高原より南側(魚沼・十日町方面)は盆地になっており、発生した霧が滞留しやすい。
3.標高が低く(336m)、発生した霧が山の南側から上がってくることにより周辺が霧に覆われやすい。
4.山地と平地の境目付近にあり、山を登ってきた霧が山本山周辺で消えやすい。(白虹は霧が晴れる時に発生しやすいため)
5.山本山は東側が開けている地形のため、太陽の光が届きやすい。
風向など、他にも理由はありそうだが、山本山高原が白虹を観測しやすいベストな条件を満たしている場所というのは間違いなさそうである。
山本山名物の自然現象と言っても過言ではない『白虹』、この幻想的な光景をもっと色々な人に見ていただきたいと思う。